このページでは、糖尿病を患っている人でも包茎手術ができるのか、包茎手術が可能な場合の注意点などについて詳しく解説します。
糖尿病でも包茎手術は受けられるのか?

糖尿病を患っている人で、包茎手術を受けようか考えている人は沢山いると思います。
そして多くの糖尿病の患者さん達が包茎手術を諦めているようです。
結論から言うと、糖尿病でも包茎手術は受けられます。
ただし、包茎手術を受ける上で、知っておく必要がある事項や、注意点などが色々とあります。
糖尿病と包茎手術の関係について

ネットに書き込まれたコメントを見ると、糖尿病を患っている場合、包茎手術を希望しても断られることが多いようです。
糖尿病を患っているすべての患者さんに対して包茎手術を断る、というのではなく、まず血糖値を下げるための治療が先である、という考え方があるためです。
血糖値が高いことで起こりうる、様々なリスクがあるので、手術後に患部がトラブルを起こす可能性が高いです。
そうなると、病院やクリニックは責任が取れない状況になるので、糖尿病患者の包茎手術を断ることになります。
自分の糖尿病をどれほど理解しているか?が重要

多くの患者さんは、健康診断などで血糖値が許容範囲を超えることで、自分が糖尿病である、と初めて自覚します。
一度でも血糖値がオーバーしたことがある場合は、普段の自分の血糖値をしっかりと把握する必要があります。
糖尿病は慢性化する生活習慣病なので、絶対に簡単には治らないからです。
「糖尿病だけれども、自分の今の血糖値がわからない・・・」
このような状況では、一般病院はもちろん、自由診療のクリニックでも包茎手術は受けられませんので、注意が必要です。
安定した血糖コントロールができているか?

包茎手術を行う場合、HbA1c(ヘモグロビンA1c)が 7.0%以下が望ましい血糖コントロールになります。
8.0%を超える場合は、包茎手術そのものは不可能ではありませんが、手術をしない方が賢明、と思ってください。
この場合は、血糖値を下げて、血糖コントロールを安定させるための治療が優先されます。
抗血糖薬やインスリンなどの薬剤調整が必要な場合があるので、内科医や糖尿病専門医のアドバイスが必要です。
もしHbA1c(ヘモグロビンA1c)の数値が8.0%以上でも、簡単に包茎手術を引き受ける病院やクリニックがある場合は、信頼性を疑った方が良いかもしれません。
糖尿病であることを正直にクリニックに打ち明ける

包茎手術を希望する場合は、自分が糖尿病を患っていることをクリニックに担当医師に正直に伝えましょう。
担当の医師から確認事項を色々と聞かれるので、血糖値について、血糖コントロールについて、服用している薬について、そして日頃の生活や、糖尿病でお世話になっている病院についてなど、何でも正直に話しをしましょう。
担当の医師が「大丈夫だ」と判断すれば、包茎手術を受けることができます。
何事も、クリニックの医師やスタッフと患者さんとの信頼関係が極めて重要です。
包茎手術の後のダウンタイムとアフターケアについて

無事に包茎手術を受けることができても、糖尿病の場合は安心してはいけません。
むしろ、手術の後のダウンタイムとアフターケアが極めて重要になります。
この章では、ダウンタイムの過ごし方や注意点、そしてアフターケアについて詳しく解説します。
糖尿病によるリスクと注意点

包茎手術を終えた後のダウンタイムにおいて、糖尿病を患っている人が注意するポイントを整理します。
1・感染のリスクについて注意
血糖値が高いことによって、免疫力が低下するので、様々な感染症を起こすリスクがあります。
また傷口が化膿しやくなるので、膿が出たり悪臭を放つ場合もあります。
糖尿病の場合は、元々自然治癒が遅くなることが多いですが、感染症を起こすと、さらに回復が遅れることが予想されます。
2・出血や腫れが長引く
個人差がありますが、糖尿病を患っている場合は血管がもろくなっていることがあり、出血や腫れが長引きやすい傾向があります。
また血液障害も起こりやすく、手術から時間が経っても傷口から血がにじむこともあります。
3・回復に時間がかかる
糖尿病が原因で、白血球の働きが低下し、切開部分の治癒が遅れるなど、傷口の回復が遅れる傾向が強いです。
また、抜糸の必要な手術の場合は、抜糸のタイミングが通常よりも遅れる場合があります。
糖尿病の程度(血糖値)によって多少の違いがありますが、糖尿病を患っている場合は包茎手術に限らず、外科手術のダウンタイムは長くなる、と思っていた方が良いです。
ダウンタイムに要する時間の目安について、下記の項目で解説しています。
4・勃起時の違和感が長く続く場合もある
傷口の回復が遅いので、手術から時間が経っていても、勃起した際の突っ張り感や痛みが、長期間続く場合があります。
このため、自慰行為や性行為が可能になるタイミングも遅くなることが多いです。
包茎手術後のアフターケアについて

包茎手術を終えた後、患者さんが自らおこなうアフターケアについてまとめてみます。
1・食生活について

手術の直後は、精神的にも肉体的にも大きなストレスになっているので、血糖値が上がりやすい状態になっています。
それまで普通に飲食していたものでも、血糖値が上がりやすいの注意が必要です。
| ✖ 控えるもの | 甘い食べ物、甘い飲み物、アルコール |
| 〇 摂取するもの | タンパク質・ビタミンC・亜鉛が多く含まれるもの |
アルコールは傷口の回復を遅らせる要因になるので、糖尿病を患っている場合は、最低でも1週間は控えましょう。2週間ほど我慢できれば、よりベターです。

鶏肉や魚などの良質なタンパク質は、傷んだ皮膚や組織の回復に必要な成分です。
またビタミンや亜鉛は、傷の回復をスムーズにする働きがあるので、積極的に摂取すると良いでしょう。
◆亜鉛の多く含まれる食べ物◆
| 魚介類 | 牡蠣、あわび、たらばがに、するめ、しじみ、煮干し |
| 肉類 | 豚レバー、牛赤身肉、牛肩ロース、鶏レバー |
| 豆類 | アーモンド、落花生、納豆、えんどう豆、枝豆 |
| 乳製品 | プロセスチーズ |
| その他 | 切り干し大根、かぼちゃの種、ココア |
2・睡眠について

どんなに栄養のある食べ物を摂取しても、寝不足ではまったく意味がありません。
特に糖尿病の場合は、日ごろの睡眠不足が大きく関係していることが多いので注意が必要です。
包茎手術を受けたら、手術前よりも長く寝ることを意識して、十分な睡眠を取りましょう。
包茎手術に限らず、傷の修復や、組織や器官の機能回復は、夜間の睡眠時におこなわれています。
睡眠不足だと傷口の回復が遅れるばかりか、悪化することもあります。
3・血糖値の測定について

病院やクリニックから処方される内服薬に、抗生剤(抗生物質)が含まれています。
抗生剤は傷口からの感染予防が目的なので、極めて重要な内服薬です。
しかし抗生剤の服用によって、血糖値が上がったり、バランスが乱れることもあるので注意が必要です。
いつもより小まめに血糖測定することを意識し、血糖コントロールを良好に保つように心がけましょう。
4・入浴について

手術によってできた傷口が完全に閉じるまで、入浴は禁止です。
個人差はありますが、入浴が可能になるまで、おおよそ2週間から3週間かかります。
それまではシャワーで我慢しましょう。ただし手術後1週間くらいは、シャワーも浴びない方が良いです。
シャワーやお風呂に入ることで清潔になりますが、手術後の間もない時期は、できるだけ患部に負担をかけないように配慮することが大切です。
5・患部の消毒について

手術後はしばらくシャワーもお風呂にも入れませんので、ガーゼと包帯を交換する時は、患部の消毒を丁寧におこなうことが大切です。
糖尿病の場合は感染症を起こすリスクが高いので、絶えず意識して消毒することを心がけましょう。
またシャワーが解禁になった時は、患部を石鹸など優しく丁寧に洗います。そしてドライヤーなどを利用して、しっかりと陰茎全体を乾かすことが重要です。
6・処方薬について

クリニックから処方される薬の内、抗生剤や消炎剤は非常に重要です。
クリニックの指示に従って、忘れずに服用しましょう。
もし飲み忘れがあった場合は、気が付いた時に直ぐに飲みましょう。
また患部の回復状態が良くない場合は、抗生剤などの服用期間が長くなることもあります。
クリニックに相談し、追加で薬を処方してもらうことになります。
7・術後観察について

糖尿病の場合は、なかなかスムーズに傷が回復しないことが多いので、包帯の交換時などに、しっかりと患部の状態を観察するように心がけましょう。
そして気になる場合は、遠慮せずにクリニックに相談しましょう。
なお、包茎手術のアフターケアと処方される薬に関しては、別のページで詳しく解説しているので、そちらもご覧ください。
ダウンタイムの目安

糖尿病を患っていると、ダウンタイムに要する時間が長くなることが多いです。
糖尿病の程度の違いや個人差がありますが、おおよその目安を下記の表にまとめましたので参考にしてください。
| 通常 | 糖尿病 | |
| 日常生活復帰 | 3~5日 | 1週間 |
| 運動復帰 | 2~3週間 | 3~4週間 |
| 自慰行為・性行為 | 4~6週間 | 6~8週間 |
| 見た目の安定 | 約3か月 | 3~6か月 |
日常生活復帰とは、入浴またはシャワーを浴びること、そして仕事や外出歩行など、手術前の同じような生活に戻ることです。
運動復帰も同様に、手術前におこなっていた激しいスポーツや運動が、問題なくできる状態になることです。
繰り返しますが、患者さんの体調や、手術の種類、そして手術後の状態によって、ダウンタイムは大きく異なるので、上の表はあくまでも目安にしてください。
なお、包茎手術のダウンタイムに関しては、別のページで詳しく解説しているので、そちらもご覧ください。
病院またはクリニックの選び方

糖尿病を患っている場合、包茎手術をお願いするクリニックの選び方は非常に重要です。
いい加減なクリニックで包茎手術をおこなうと、手術をした患部が酷い状態になるばかりか、血糖値が安定せずに、糖尿病そのものが悪化することもあります。
それほど包茎手術は、精神的に、そして肉体的にもストレスの大きい外科手術だからです。
日帰りで簡単にできる外科手術とは言っても、糖尿病の場合は安易に考えてはいけませんので、慎重にクリニック選びをしましょう。
ここでは、クリニックを選ぶポイントを整理しながら解説します。
タイプ別の選び方
糖尿病を患っている患者さんが包茎手術をおこなう場合、病院やクリニックのタイプは以下の4つに分類することができます。
個人的な好みも大切ですが、それぞれ自分に相応しいタイプを選ぶことが最適です。
〇総合病院の泌尿器科
自由診療のクリニックではちょっと心配、という患者さんは、泌尿器科と糖尿病内科、両方ある総合病院が良いとでしょう。
特に血糖値が高い患者さんや、合併症などより専門的な治療が必要な場合は、糖尿病内分泌科や内分泌代謝内科などの、糖尿病に特化した診療科がある総合病院が適しています。
| 利点 | 包茎手術の費用は安い。 包茎治療と糖尿病治療の両方が連携されるから安心できる。 |
| 欠点 | 包茎手術の種類は少なく、選べない。 綺麗な仕上がりは期待できない。 |
〇泌尿器科の個人病院
総合病院ほどではないが、内科との連携がスムーズにできる場合が多いです。
また糖尿病に関する知識もあり、手術経験が十分にある場合は、包茎手術にも対応できることが多いです。
ただし、糖尿病患者の手術経験がまったくない場合もあり、信頼性は非常に幅があるので注意が必要です。
| 利点 | 包茎手術の費用は安い。 総合病院ほどではないが、包茎治療と糖尿病治療の両方に対応できる。 |
| 欠点 | 包茎手術の種類は少なく、選べない。 綺麗な仕上がりは期待できない。 糖尿病に関する信頼は未知数。 |
〇泌尿器科・形成外科系クリニック
男性専用の美容整形外科の場合は、内科ではないので糖尿病の治療はまったくできませんが、糖尿病患者の包茎手術の経験が豊富な場合が多いです。
そして、手術後に何か問題があっても、しっかりと対応してくれることが多いのも特徴です。
| 利点 | 包茎手術の種類は多く、選べる。 綺麗な仕上がりが期待できる。 経験豊富な場合は、糖尿病にも柔軟に対応できることが多い。 |
| 欠点 | 綺麗な仕上がりを目指すと、包茎手術の費用は高い。 糖尿病に対応できないクリニックもある。 |
〇包茎手術専門クリニック
包茎手術を専門におこなうクリニックの場合は、糖尿病に関する知識がまったくない場合があるから注意が必要です。
もしもの時に、術後の対応が遅れる場合もあります。
血糖値がそれほど高くなく、比較的に軽症な糖尿病患者は選択肢に入れても良いかもしれません。
安易に「糖尿病でも手術は大丈夫」と謳っているクリニックの場合は、特に注意が必要です。
| 利点 | 包茎手術の種類は多く、選べる。 綺麗な仕上がりが期待できる。 |
| 欠点 | 綺麗な仕上がりを目指すと、包茎手術の費用は高い。 糖尿病に対応できないクリニックが多い。 |
クリニックの選び方

総合病院や泌尿器科の病院ではなく、美容整形外科のクリニック、および包茎手術専門のクリニックの選び方について、ポイントを整理します。
1・ 専門知識を持った医師が担当してくれるのか?

クリニックを選ぶ際、泌尿器科または形成外科の専門医が常勤していることが望ましいです。
信頼できるクリニックの場合は、クリニックのホームページに必ず記載されています。
当サイトでも確認できている場合は、記事中に掲載しています。
2・手術前に血糖値などをチェックするのか?

糖尿病患者を包茎手術する場合、手術前に様々な確認をおこなうクリニックが絶対的に信頼できます。
確認事項はクリニックによって多少の違いはありますが、主な確認事項は以下のようなものです。
| 血糖値・HbA1cについて | 最近の数値など採血結果の確認 |
| 内服薬について | インスリンなどの血糖降下薬の確認 |
| 受診内科について | 担当医からどのような説明があったのか確認 |
| その他 | 患者さんの体調や気分について等の確認 |
手術前に採血を行い、血液検査をおこなう場合もあります。
これらの確認事項を軽視して、安易に手術を勧める場合は要注意です!
手術後に何かトラブルが起こっても、責任を取ってくれないクリニックの典型的なスタイルです。
しつこいほど糖尿病について確認してくるクリニックの方が信頼できるので、患者さんは面倒と思わずに正直に対応しましょう。
3・手術前、手術中の麻酔を追加してくれるか?

糖尿病を患っている場合は、局所麻酔の効きが弱かったり、不均一に麻酔が効く場合があるので、手術中に痛みを感じることがあります。
このような場合は、速やかに麻酔の注射を追加で打ってくれるのか、確認が必要です。
いい加減なクリニックは対応してくれない場合があります。
『一般病院で「もう少しだから我慢してください~」と言われた』というコメントをネットで見たことがあります。
4・手術後のフォロー体制は万全か?

糖尿病患者は手術後に、様々な感染症を起こすことがあります。
もし感染症が確認できた場合のフォロー体制はできているのか、クリニックに確認する必要があります。
また、傷口が治りにくいという特徴もあるので、手術後の患部の状態をしっかりと診察してもらえるクリニックが良いです。
もちろん、無料で対応してもらうことは絶対条件です。
糖尿病の場合は、患者さんは遠慮せずに、むしろ図々しくなって良いのです。
少しでも気になることがあれば、遠慮なく電話などでクリニックに相談しましょう。信頼できるクリニックの場合は、例え急な予約であっても、快く対応して診察してくれます。
そのことをカウンセリングなどで確認しましょう。
5・抗生剤などの処方薬はケチらずにくれるのか?

糖尿病を患っている場合は、感染予防薬の処方期間が通常より長めになる傾向が強いので、抗生剤などの内服薬が多めに処方されます。
また、手術後の患部の状態によっては、追加で処方してもらうこともあります。
内服薬は十分な量が出るのか、追加で出してもらえるのか、しかも無料でもらえるのか、クリニックに確認する必要があります。
内服薬に限らず、軟膏やガーゼや包帯などをケチるようなクリニックは全く信頼できません。
6・内科との連携はOKか?

糖尿病を診てもらっている内科の病院などと、情報の共有ができるかどうか、ということも非常に重要です。
「内科医などにクリニックの名前を出さないで欲しい」このようなことを言うクリニックは全くもってダメなクリニックです。
ネットに書き込まれた口コミにあった話なので、注意が必要です。
患者さんがクリニックに確認するポイント!
クリニックの無料相談やカウンセリングにおいて、患者さんがクリニックに確認した方が良いポイントを整理してまとめてみます。
糖尿病でも包茎手術は可能か?
手術前に採血(血糖値の確認)はするのか?
麻酔時の対応は万全か?
感染などした際に、薬は直ぐに処方してもらえるのか?
手術後のアフターケアが長引いても対応は万全か?
手術後のアフターケアはすべて無料で対応してくるのか?
かかりつけの内科に情報提供しても大丈夫か?
患者さんの糖尿病の状態によって、上記の確認するチェック項目は変わるので、是非参考にしてください。
患者さんの糖尿病に対して、無関心なクリニックも多々あるので、クリニック選びはとにかく注意が必要です。
大切なので何度も書きますが、簡単にそして直ぐに包茎手術をするように勧めてくるクリニックは、まったく信頼できません。
糖尿病でも包茎手術ができるのか、まとめ
糖尿病でも包茎手術は十分に可能ですが、手術後のアフターケアが非常に重要なことが分かりました。
そして多くのリスクもあるので、ダウンタイムの過ごし方も極めて重要であることが理解できました。
クリニックの医師は包茎手術のプロですが、糖尿病の専門家ではありません。
患者さんが自身の糖尿病に関して、十分な理解と責任感が必要です。
また、クリニックを選ぶことや、包茎手術をおこなうことなど、すべての主導権は患者さん自身にあることを、しっかりと受け止めることも重要です。
糖尿だけど包茎手術を受けよう、と考えている患者さんにとって、この記事が参考になれば幸いです。
そして、患者さんが、本当に信頼できるクリニックと出会えることを願っています。

